ニューノーマル時代ににアートで人をむすぶプロジェクト

レポート

2021.10

みんなの“鑑賞” 2

みんなの“鑑賞”2 ④――しが盲ろう者友の会の人たちと考える 
第4回検討会議

9月17日(金) 第4回検討会議

最後の検討会議には、盲ろうのプロジェクトメンバーである岡田昌也さんと岡本克司さんが出席してくださいました。

このプロジェクトでは、盲ろうの人と見えて聞こえる人が、作品を触って対話した記録を展示します。今回は、メンバーのみなさんに完成した展示台を確認していただきました。

展示台の盤面には、対話した内容が言葉で書かれています。
前回の会議で、点字を使う岡田さんの意見をお聞きし、言葉は墨字だけでなく、点字でも表記することにしました。それぞれの言葉は、細い鉄の棒で、マインドマップのようにつながっています。また、言葉は音声でも聞けるように、QRコードを使った音声読み上げも用意しました。
対話はテーマごとにグルーピングされていて、触ってその輪郭がわかるように、段がつけられています。また、対話から連想される、触って楽しめるモノも盤面に設置しました。

展示について説明した後、メンバーと一緒に展示台を触っていきます。岡田さんは、ご自身で点字を読みながら確認されました。岡本さんは、通訳介助者やスタッフが言葉を読み上げるのを聞きながら、盤面を触って鑑賞しました。

岡田さんからは、盤面の角がとがっていて危ないので少し丸くすることや、鉄の棒の切れ端を処理することなど、安全面について意見をいただきました。これについては、什器の製作を担当するメンバーの安川雄基さんが対応してくださいました。

岡本さんは、他のメンバーの対話を知ることができておもしろかったと話していました。ご自身の対話の記録については、「『やわらかさ』を表現したポンポンボールが想像していた感触よりもやわらかくてびっくりした。これは、この盤面を製作した安川さんが想像したやわらかさなのですね」と、関心を持たれていました。

「みんなの“鑑賞”2」では、盲ろうの人と見えて聞こえる人が作品を触って対話しながら芸術鑑賞をしました。盲ろうの人に、作品について一方的に情報を伝えるのではなく、お互いが感じた世界を共有することを試みました。また、この対話記録の展示は、一人の盲ろうの人が作品をどのように感じ取ったかを伝えるものでもあります。それぞれの感じ方に触れることで、自分では思いつかない作品の「見え方」がたくさんあることに驚かされます。盲ろうの人、見えて聞こえる人の対話を通して、新たなアートの捉え方に出会う機会が生まれました。