ニューノーマル時代ににアートで人をむすぶプロジェクト

イラスト:スケラッコ

障害×アートのニューノーマル みんなの“鑑賞”

アートとの接し方をほぐす———美術鑑賞は、人の数だけ。

「障害とアートのニューノーマル」として行うのは、「みんなの“鑑賞”」という取り組みです。これは、誰もがアートを楽しめるように、美術鑑賞の方法を、知的障害のある人や盲ろう者が、アーティストらと一緒に考える企画です。
この企画で生まれる鑑賞方法は、NO-MA企画展「79億の他人」で展示します。また、会期中に、鑑賞方法を考えたメンバーの解説付きの作品鑑賞会も開催します。
それぞれの障害特性や個性に応じて考え出される鑑賞方法との出会いが待っています。それは、あなたとアートの接し方をほぐし、ニューノーマルな時代の美術鑑賞の可能性を示してくれることでしょう。

みんなの“鑑賞”1障害者支援事業所いきいき+野原健司と考える。

楽しみ方に正解はない。だから楽しい。

多くの美術館では、ケースや額に収まった作品と、作者や作品のことを説明する文章が書かれた紙やパネルがあって、館内の音は静かで、空間は整然としている――こうした空間づくりには、作品の安全を守り、なるべく雑音や余計なもののない環境で来館者に作品を見てもらおうとする美術館側の工夫が反映されていて、そうした工夫の数々が多くの来館者の見やすさを確保しています。ですが、それとは違う自分に合った環境で鑑賞したいと考える人もいるはずで、その分それぞれのアートの楽しみ方があってもいいのかもしれません。
この企画では、障害者支援事業所いきいきの利用者や支援者の方々、アーティストの野原さんと一緒に、それぞれの感性や障害特性に見合った鑑賞方法を考えます。展示するのは、野原さんによる美術作品。「野原さんの作品をどう楽しむか?」いきいきの利用者3人が中心となって考える鑑賞方法をお楽しみに。

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みんなの“鑑賞”2しが盲ろう者友の会の人たちと考える。

見えない、聞こえない人と感覚を共有する。

盲ろう者とは、目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害のある人のことです。彼らは、テレビ、ラジオや記事を楽しんだり、人と会話したりすることに難しさがあります。日本には、こうした盲ろう者がおよそ14,000人いると推定されています。盲ろう者にとって「触る」ことは、生活に欠かせないものです。それは、盲ろう者がこの世界のことを知るための、唯一といっていいほどの手がかりであり、生きるためのアクションです。
一方で、新型コロナウイルスの出現以降、ソーシャルディスタンスやリモート会議などの非接触をベースとしたコミュニケーションが格段に増えました。触れないことで身を守ろうとするニューノーマルが形作られているその途上にあるからこそ、私たちは今一度、触れることが不可欠な盲ろう者の暮らしについて考える必要があるのではないでしょうか。
この企画は、この時代において、アートの視点から盲ろう者とのコミュニケーションを考えるものです。視覚と聴覚以外の方法で、盲ろう者ととことん作品を鑑賞します。そして、その結果、彼らがどのようにアートを捉えたかということを形にして、展示します。鑑賞を通して、「見えない、聞こえない人」の捉えた世界があらわれ、「見える、聞こえる人」と感覚が共有され、コミュニケーションが開かれていく、そんな機会を生み出していきたいと思います。

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